本当に胃の痛みなのか?
おはようございます。自律神経症状治療「かずひら鍼灸院」の吉田和平です。
昨日、電車に乗りました。先頭車両に乗っていたんですが、前に見える風景が、運転席に座っているような感覚で、面白かったです。そして、偶然にも、運転士さんは、知人でした 笑
「胃の痛み?」
昨日は、鍼灸専門学校での実技講師の日でした。毎回、学生さんから色々な質問を受けますが、昨日は、「この患者さん(患者さん役の学生さん)は胃の痛みがあります。だから食欲がないという症状があるのでしょうか?」というような質問を受けました。
なるほど~。胃の痛み→胃炎→食欲不振。そう考えたんですね。その発想はよくわかりますが、そこは冷静に、生理学に沿って考える必要があります。
というわけで、一緒に考えることにしました。
まず、胃の痛みですが、本当に胃の痛みなのか?内臓の痛みは、実は非常に感じにくくなっています。その上、どこが痛んでいるのかという位置感覚も非常に曖昧なんです。これは、内臓の痛み信号を脳に伝える神経線維が細くて、伝達スピードが遅いことと、そもそも内臓には痛みを感じとるセンサーが少ないことが原因です。ですので、内臓はちょっとやそっとの異常くらいでは自覚症状は現れません。
では、なぜ、患者さんは「胃の痛み」を訴えるのでしょうか?それは、腹部内臓に起きた炎症の反射により、腹筋が固くなり、それにより腹部に痛みが現れるからなんです。要するに、腹筋の痛みなんです。腹膜炎など、急性な激しい炎症が起こると、腹筋はガチガチに固くなります。これを筋性防御といいますが、そこまでいかなくても、胃や大腸のちょっとした炎症でも腹筋は多少固くなり、それがお腹の痛みとして現れることがあります。
ですので、治療としては、胃や大腸の炎症を抑えることを目的としたはりや灸と、腹筋をゆるめるためのはりをする必要があり、別々の手技が必要となります。
そして、食欲不振についてですが、空腹や満腹は胃が感じているわけではありません。胃は、単なる消化器官ですので。空腹・満腹は、血糖値により脳が管理しています。ですので、仮に胃炎があったとしても、血糖値が下がれば、空腹感を感じます。
というようなお話を、学生さんと一緒に考えながら、実技練習を行いました。
と、偉そうに講師な~んて言ってますが、私も師匠や先輩から、「適当な知識ではりをしてはいけない」とよくアドバイスをいただきました。
迷ったとき、困ったときは生理学と解剖学に戻ってみる。これは今でも鉄則ですね。
さぁ、今日すがすがしい秋晴れ!ちょっと肌寒いですが、気持ちがいい天気ですね。みなさん、素敵な1日を!
「食欲不振、不眠、動悸など」不定愁訴に「はりきゅう治療」
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